おもちゃは増えていくのに、子どもが遊ぶのはいつも同じ物ばかり。棚も押し入れもいっぱいで、次に何を買うかを夫婦で話す時間もとれない。この記事では、こうした増えるのに遊ばないおもちゃの悩みを、子どもの遊びと家庭の研究から読み解きます。そのうえで、出すおもちゃをしぼって入れ替える方法と、選ぶ手間を夫婦で分ける方法を紹介します。
棚も押し入れもいっぱいなのに、遊ぶのは同じ物ばかり
共働きで、1歳半の子を育てています。誕生日や祖父母からの贈り物、自分たちで買った知育玩具で、リビングの棚も押し入れも、気づけばおもちゃでいっぱいです。それなのに、子どもが手に取るのはいつも同じ二つか三つ。調べて買ったおもちゃは、数日で箱に戻りました。
月齢に合わなくなったおもちゃを処分しようとすると、遊んでいた頃の姿を思い出して手が止まります。次は何を買えばいいのか夫婦で話そうにも、平日はその時間がとれず、結局どちらか一方が夜にスマホで調べ続けることになります。
片付けたい気持ちと、思い出を捨てたくない気持ち。子どもに合う物を選びたい気持ちと、そのために使える時間の少なさ。増えるのに遊ばないおもちゃには、いくつもの気持ちが重なっています。研究からは、おもちゃの数、選ぶ作業の重さ、手放しにくさの三つで、この状態を説明できます。
この1週間で、子どもが一番長く遊んでいたおもちゃを一つ思い浮かべてみてください。それは、家にあるおもちゃの何個のうちの一つでしょうか。
理由は三つ:数が多い、選ぶ作業が重い、手放しにくい
三つの理由を、研究の結果から一つずつ見ていきます。
理由1
おもちゃが多いと、一つで遊ぶ時間が短くなる
幼児36人に、おもちゃが4個の部屋と16個の部屋で、それぞれ自由に遊んでもらった実験があります。4個のときは、おもちゃを持ち替える回数が少なく、一つのおもちゃで遊ぶ時間が長くなり、遊び方の種類も増えました(Dauch et al., 2018)。

おもちゃがたくさんあると、子どもは手に取っては置き、一つをじっくり試す前に次へ移ります。持っている数の多さが、かえって一つで遊び込む時間を短くしていることがあります。
研究の範囲
大人が見守る中、1回ごとの遊びの時間で比べた実験です。家で何か月も過ごす場合とは条件が違いますが、手の届く場所に出す数を減らす方法は、今日から家で試せます。
理由2
合う物が分からないまま選ぶ作業は、見えにくく偏りやすい
選択肢が多いと選べなくなる現象について、99の研究結果をまとめた分析があります。選択肢が複雑なときや、自分の好みがはっきりしないときに、選択肢の多さが迷いを強めていました(Chernev, Böckenholt & Goodman, 2015)。月齢ごとに次々出てくる知育玩具を、子どもに何が合うか分からないまま比べるのは、まさにこの状態です。
夫婦35組への面接調査では、家事には「必要に気づく、候補を探す、決める、様子を見守る」という頭の中の作業があり、目に見えにくいため、夫婦の衝突のもとになりやすいことが示されました。気づく作業と見守る作業は妻に偏りがちで、決める作業はほぼ半々でした(Daminger, 2019)。
おもちゃ選びに時間がかかるのは、買うときより、「そろそろ次が要る」と気づいて調べ続けている時間の方かもしれません。
理由3
思い出のある物は手放しにくく、物がたまると家が休まりにくい
思い出のある物を手放すと、自分の一部を失うように感じるため、人は手放すのをためらいます。寄付を呼びかける現場の研究では、手放す前に写真を撮るよう勧めると、寄付される物が増えました(Winterich, Reczek & Irwin, 2017)。
物がたまった家の負担を示す研究もあります。共働きの夫婦60人に自宅を案内してもらい、その話し方を分析すると、「散らかっている」「片付いていない」といった言葉が多い妻ほど、ストレスに関わるホルモン(コルチゾール)の1日の下がり方が鈍く、健康に良くないとされる型でした(Saxbe & Repetti, 2010)。
研究の範囲
家の話し方とホルモンの関係を調べた研究で、散らかりが原因だと確かめたものではありません。片付かない家が休まる場所になりにくいことを示す、一つの手がかりとして読めます。
原則は三つ:出す数をしぼる、選ぶ役を分ける、写真で残す
三つの理由に対応して、おもちゃ管理の原則も三つあります。
原則1
出すおもちゃは4〜6個にして、入れ替える
理由1に対応する原則です。持っているおもちゃを全部手放す必要はありません。手の届く場所に出す数をしぼり、残りはしまっておきます。しばらくしたら、出している物としまっている物を入れ替えます。
原則2
候補探しは任せ、決めることと様子を見ることは夫婦で分ける
理由2に対応する原則です。気づく、候補を探す、決める、様子を見守る、の四つのうち、いちばん時間がかかる「候補を探す」は、人や仕組みに任せられます。決めるのは二人で、様子を見守るのは、見たことを相手に話す形にすると、一人に偏りにくくなります。
子どもの楽しそうな姿は、夫婦にとっても良い話題です。良かった出来事をパートナーに話し、相手が乗り気で応えると、話した人の幸福感が高まり、そうした応え方がふだんからある夫婦ほど関係の満足度が高いことが分かっています(Gable et al., 2004)。おもちゃの相談を、「決めなければならない話」から「今日こんなふうに遊んだよ」という話に変えられます。
原則3
しまう量に上限を決め、手放す前に写真を撮る
理由3に対応する原則です。しまう場所に上限を決めておくと、どれを残すかを決める機会が自然にできます。手放す前に写真を撮っておけば、物は手放しても、遊んでいた頃の思い出は残せます(Winterich, Reczek & Irwin, 2017)。
まず今週末、出す・しまう・手放すに分ける
週末に30分ほどあれば始められます。

分ける
おもちゃを、出す・しまう・手放すの三つに分ける
- 最近よく遊ぶ物から4〜6個を出すこの1週間で手に取った物を中心に選びます。月齢に合わなくなった物は「しまう」か「手放す」に回します。
- 残りは箱一つ分までにしまう押し入れの箱一つ分を上限にします。2か月ほどしたら、出している物と入れ替えます。
- 箱からあふれた物は、写真を撮ってから手放す子どもが遊んでいる写真を1枚撮ってから、親戚や知人に譲る、リサイクルに出すなどします。
分担する
夫婦で役割を決め、遊んだ様子を伝え合う
- 気づく・調べる・決めるの担当を話し合う「次のおもちゃが要る」と気づく人、候補を調べる人を決めます。決めるのは二人で。調べる作業は、お店の人や相談窓口に任せてもかまいません。
- よく遊んだ場面を、その日のうちに伝える写真を1枚送るだけでも十分です。「これで20分遊んでた」と伝えておくと、次に何を残すかを決める材料にもなります。
今夜、手の届く場所にあるおもちゃを数えてみてください。10個を超えていたら、明日は半分を箱にしまって、子どもがどれで長く遊ぶかを見てみましょう。
数をしぼっても、入れ替える物と選ぶ手間が残る
出す数をしぼって役割を分けても、続けるうちに三つの手間が残ります。
限界1
月齢が進むと、手元のおもちゃでは合わなくなる
入れ替えは、家にあるおもちゃの中で回すことになります。月齢が進むと手持ちの物では物足りなくなり、新しく買い足すと、また数が増えていきます。
限界2
任せる先がないと、候補を探す負担は残る
役割を分けても、月齢に合う候補を探す作業そのものはなくなりません。二人とも知育玩具に詳しくなければ、決める場面でも迷います。
限界3
合うか分からない物を買うと、費用と手放す手間が増える
知育玩具は一つ数千円する物も多く、遊ぶかどうかは渡してみないと分かりません。遊ばなくなった物は家に残り、手放すかどうか悩む物がまた一つ増えます。
入れ替える手段の条件は、数・相談・返却・費用
三つの限界から、おもちゃを入れ替える手段を選ぶ条件をまとめます。おもちゃのレンタルに限らず、親戚との譲り合いや中古品を使うときも同じ条件で見られます。右の列は、申し込む前に自分で確かめる方法です。
| 条件 | 理由 | 自分で確かめる方法 |
|---|---|---|
| 一度に届く数が少なく、月齢に合わせて入れ替わる | 出す数が少ない方が、一つで長く遊ぶ(Dauch et al., 2018)。入れ替えるおもちゃが外から届けば、家の数は増えない。 | 1回に届く個数、入れ替えの間隔、早めに替えたいときの条件を確かめる。 |
| 子どもの様子を伝えると、候補を選んでもらえる | 好みがはっきりしないまま多くの候補から選ぶと迷いが大きい(Chernev, Böckenholt & Goodman, 2015)。候補を探す作業を任せられれば、夫婦は決めることに集中できる(Daminger, 2019)。 | 誰が選ぶか、相談の方法と返事の早さ、届く前に中身を確認・変更できるかを確かめる。 |
| 遊ばなくなった物を返せて、気に入った物だけ残せる | 思い出のある物は手放しにくく(Winterich, Reczek & Irwin, 2017)、物がたまった家は休まりにくい(Saxbe & Repetti, 2010)。返す前提なら、家に残る物を選んで決められる。 | 返す時期と送料、清掃が必要か、気に入った物を延長・買取できるかを確かめる。 |
| 毎月の費用と、壊した・失くしたときの負担が分かる | 合うか分からない物を一つずつ買うより、費用の上限が見える方が試しやすい。小さな子は壊したり部品を失くしたりする。 | 月額と送料、最低利用期間、破損・紛失時の負担、やめ方を確かめる。 |
相談しながら借りて返すなら、And TOYBOX
条件に照らして、知育玩具のレンタル(サブスク)を一つ紹介します。
And TOYBOX(アンドトイボックス)は、生後3か月〜4歳11か月の子ども向けの知育玩具のレンタルです。保育士の監修のもと、担当のプランナーが月齢や好み、家にあるおもちゃを聞いて6個を選び、約2か月ごとに入れ替えます。やり取りはLINEで、プレミアムコースなら発送前に候補を確認して、何度でも変えてもらえます。
次のおもちゃが届いてから前のおもちゃを返すので、手元が空になる期間はありません。気に入ったおもちゃは延長するか、割安な価格で買い取って残せます。
条件ごとに比べると、次のとおりです。
| 確かめたい条件 | And TOYBOX(知育玩具のレンタル) |
|---|---|
| 一度に届く数が少なく、月齢に合わせて入れ替わる | ○ 1回に6個(定価総額約18,000円分、セルフコースは5個)が届き、約60日ごとに交換。交換の申請はレンタル開始50日後から、申請から約10日で発送 △ 入れ替えは約2か月ごと。レンタル開始20日後から早められるが、送料1,500円(税込)がかかる |
| 子どもの様子を伝えると、候補を選んでもらえる | ○ 保育士の監修のもと、担当プランナーが月齢・要望・家にあるおもちゃをもとに選ぶ。LINEは24時間送れ、営業日の9〜17時に原則3営業日以内に返事 ○ プレミアムコースは発送前にLINEで候補を確認し、何度でも変更できる。スタンダードコースも候補作成の前に要望を伝えられる △ スタンダードコースは、届くまで中身を確認できない。セルフコースはプランナーに相談できない |
| 遊ばなくなった物を返せて、気に入った物だけ残せる | ○ 次のおもちゃが届いてから3日以内に返却。返送料は運営会社が負担し、返却前の清掃は不要 ○ 気に入ったおもちゃは個別に延長(追加費用なし)するか、定価より割安な価格で買い取れる |
| 毎月の費用と、壊した・失くしたときの負担が分かる | ○ 月額はスタンダードコース3,278円、プレミアムコース3,608円(税込、往復送料無料) ○ 通常の遊びで壊れた・汚れた場合は弁償不要。部品の紛失は1点330円、一つのおもちゃで上限1,320円(税込、主要部分は除く) △ 最低利用期間は2か月。交換しない月も、おもちゃを借りている間は毎月料金がかかる |
○は条件に合う点、△は購入前の確認や別の対策が必要な点です。
利用した人の声を、出典ごとにまとめます。感想は人によって異なり、効果を示すものではありません。良い声と、要望や気になる声を分けています。
良い声
- 自分では試せないおもちゃを試せる。意外なおもちゃに夢中になることが多い(2歳10か月の子の保護者)(2026-11-07)
- 発送前に内容を相談できるので、家にある物と重ならない(1歳5か月の子の母親)(2021-01-05掲載)
- 届いてすぐは夢中で遊ぶが、しばらくすると出番がなくなる。だから借りる方が合っている(3歳5か月の子の母親)(2021-01-05掲載)
- 買っても遊ばなくなったおもちゃの管理に困っていた。要らなくなれば返せる(1歳1か月の子の母親)(2021-01-05掲載)
要望・気になる声
- 子どもに合う・合わないはある(手書きはがきの声)(日付の記載なし)
- 遊んでいたおもちゃに愛着がわき、返すときにさみしくなる(手書きはがきの声)(日付の記載なし)
いずれも運営会社が公式サイトに選んで掲載した声です。2026年11月7日に調べた範囲では、第三者の口コミサイトにまとまった評価は見つかりませんでした。
向いているのは、出す数をしぼって入れ替えたいけれど、月齢に合う候補を調べる時間がとれない共働きの家庭です。自分たちでおもちゃを選ぶのが楽しい人や、2か月より早く次々に替えたい人には、合わない部分があります。
費用は、プレミアムコースが月3,608円、スタンダードコースが月3,278円(税込、往復送料無料)です。最低2か月の利用が必要で、やめるときは、おもちゃを配送業者に渡してから、次の課金日の2日前までに手続きします。そのほかの条件は次のとおりです。
| 項目 | And TOYBOX(知育玩具のレンタル) |
|---|---|
| 対象 | 生後3か月〜4歳11か月の子どもが主な対象。生後3か月未満は予約申込ができる |
| 料金 | プレミアムコース 月3,608円、スタンダードコース 月3,278円、セルフコース 月3,278円(いずれも税込、往復送料無料)。毎月払いは初月1円のキャンペーン中(2か月目から通常料金、2026年11月7日確認) |
| まとめ払い | 6か月一括で半月分、12か月一括で1か月分が無料 |
| 申し込み・やり取り | 公式サイトから申し込み、やり取りはLINE。支払いはクレジットカードのみ |
| やめ方 | 最低利用期間は2か月。おもちゃをすべて配送業者に渡してから、次の課金日の2日前までに退会手続きをする。違約金なし |
| 扱わないおもちゃ | 配送用の100サイズの箱に入らない大型の物(鉄棒・マットなど)と、水で遊ぶ物 |
| 試す | 100円(税込)で、プランナーの提案(6個の候補と選んだ理由)だけを受け取れる。おもちゃは届かず、自動で継続しない |
申し込む前に、100円でプランナーの提案だけを受け取る体験もできます。おもちゃは届きませんが、どんな6個が、どんな理由で選ばれるかを見てから決められます。
レンタルを使わない場合も、出す数を4〜6個にしぼり、遊んだ様子を夫婦で話すことから始められます。
参考にした研究・資料
- Dauch, C., Imwalle, M., Ocasio, B., & Metz, A. E. (2018). The influence of the number of toys in the environment on toddlers’ play. Infant Behavior and Development, 50, 78–87.
- Saxbe, D. E., & Repetti, R. (2010). No place like home: Home tours correlate with daily patterns of mood and cortisol. Personality and Social Psychology Bulletin, 36(1), 71–81.
- Chernev, A., Böckenholt, U., & Goodman, J. (2015). Choice overload: A conceptual review and meta-analysis. Journal of Consumer Psychology, 25(2), 333–358.
- Daminger, A. (2019). The cognitive dimension of household labor. American Sociological Review, 84(4), 609–633.
- Gable, S. L., Reis, H. T., Impett, E. A., & Asher, E. R. (2004). What do you do when things go right? The intrapersonal and interpersonal benefits of sharing positive events. Journal of Personality and Social Psychology, 87(2), 228–245.
- Winterich, K. P., Reczek, R. W., & Irwin, J. R. (2017). Keeping the memory but not the possession: Memory preservation mitigates identity loss from product disposition. Journal of Marketing, 81(5), 104–120.

