私たちは普段の仕事に追われて子育てや趣味、夫婦の時間を過ごせない日々を過ごすことが少なくありません。お金や将来の心配もつきまとい、さらに忙しさに拍車をかける日々になっていませんか?
色々とカツカツになってきた・・・というときは、節約に挑戦してみましょう。
私たちは節約と聞くと、お小遣いが減ったり飲み会や外食を我慢してストレスが貯まるという印象を持ってしまいます。
また、子どもが小さい頃は、特に忙しく節約どころではない!と思うかもしれません。
本記事では、節約を「お金」のことだけではなく、「時間」「体力」「精神力」「決断力」の5つの資源に分けて解説します。ストレスを溜めないように、あなたができる前向きな節約思考を身につけましょう。
節約とは、あなたの資源を効率的に活用するための再配分の戦略なのです。
節約は何をすること?
〘名〙 (形動) むだを省いて、切りつめること。また、そのさま。
引用:https://kotobank.jp/word/節約-548515(コトバンクより)
辞書では、節約とは無駄を切り詰めていくことと書いています。
お金の節約であれば、外食を減らす、電気や水道をこまめに止めるといった一般的な節約術を想像できるのではないでしょうか。
確かにお金の節約はとても大切で目に見えて成果に出やすいため頑張って続ける方はたくさん居られます。
今回は、「無駄を切り詰める」だけではなく「効率を良くする」ことにマインドシフトして、節約に対する考え方を改めて考えてみましょう。
お金以外にも、あなたは大切な資源をたくさん持っています。
今回は、節約できることを5つの軸に分けてみました。
- 時間の節約
- お金の節約
- 体力の節約
- 精神力の節約
- 決断力の節約
どれもとても大切な資源です。
特に、時間は誰でも等しく同じだけ持っているため、時間あたりの効率を上げることが重要です。
また、我慢の意識から脱却するために大切なことが一つあります。
それは、「何のために節約をするのか?」という目的設定です。
あなたの目標に向かって前進しはじめたとき、私たち日頃から何気なく消耗していた要素が、実はとても大切で価値があったと気づくかもしれません。
節約できる5つのコスト
私たちが何気なく浪費してしまっている限りある資産を一つ一つの軸を分けて考えていきます。節約の効果や考え方の幅が広がり、節約の重要なポイントが把握しやすくなりますよ。
1.時間を節約しよう
あなたの時間は最も貴重な資産の一つです。
私たちは誰でも同じ有限の時間を持っていますが、日々積み重なっている動作の無駄、手戻りの無駄によって効率的に時間を使えていません。
時短術として紹介されるテクニックは、時間あたりの価値アップ術と言い換えてもよいでしょう。
他の節約に取り組む際にも、時間の価値は常に意識して、パフォーマンスを最適化しましょう。
主な時間の節約対象
- 整理整頓
- こどもの安全対策
- 部屋の間取り、レイアウト
- 家事
- 掃除
- 洗濯
- 炊事
整理整頓や家事全般は、時短術や便利家電を駆使することで何とかなる場合が多いです。
子どもの安全対策も、子どもをずっと見ている心配がなく、子どもが安全に自由に過ごせる時間を多くつくることで、副作用的に親の時間が増えていきます。
時間はお金と違い、一度消費すると、もう貯まることはありません。
時短術やテクニックだけでも多くの時間を節約できますが、時には思い切って投資することが必要です。
また、不要な作業だと思ったことも、思い切って止めてしまいたいものです。
2.お金を節約する
お金は最も代表的な節約術で、すぐに結果につながるものが多いです。
お金は家計簿をつけることで可視化されるため、節約の成果がわかりやすくなるのもポイントです。
お金は削減以外にも、リスクはありますが、増やすという選択肢も取れます。
まずは確実な控除制度を忘れずに利用することから始めると良いでしょう。
NISA、iDecoで積立投資を検討することも大切ですが、元本割れの保証はなく必ずしも利回りがプラスに働く保証は無いので注意してください。
主なお金の節約対象
- 固定費の削減
- 家賃
- 電気代
- ガス代
- 水道代
- 通信費(スマホ代など)
- 食費の削減
- 外食を減らす
- コンビニの衝動買いを控える
- 飲み会の回数を減らす
- 保険の見直し
- キャンペーンの利用
- Paypayやクレジットカードなどのポイントを貯める
- セット割や新規キャンペーンなどを利用する
- 投資
- つみたてNISAを検討
- iDecoを検討
- 年末調整の控除
お金の節約を考える上で事前のシミュレーションは欠かせません。
家庭の支出は、家計簿をつけてお金の流れを把握しましょう。
お金の節約でよくある順序は、固定費の削減から手をつけることです。
家賃・居住費や電気代、ガス代、水道代、通信費(スマホ)は改善できる金額も大きい場合があり、一度改善すると同じ状態が長く続くため、まずは固定費を改善を優先にします。
注意点としては、節約するために「安かれ悪かれ」でモノを買わないことです。
初めから使い捨てできるものなら良いですが、安かれ悪かれの商品は不満やストレスも溜まり、トラブルが起きると時間も無駄にしてしまいます。総合的な費用対効果を考えてお金を使いましょう。
3.体力を節約する
当たり前のことですが、体力は消耗したら休んだり、寝て回復すれば良いです。
しかし、休んで体力を回復するということは、時間を消費して体力を買っているようなものです。もちろん人によっては体力が有り余る人もいますが、基本的に体力を回復するには休むことが必要です。
筆者も中高生の通学で失敗した経験があります。
通学では、踏んでもなかなか進まない重いペダルの自転車に乗っていました。
漕ぐのがとても大変なのに前に殆ど進まないし、何よりも通学で疲れ果ててしまっていました。
学生時代は家と学校の往復で1時間以上、自転車に乗っていましたので、学校から帰ってきたらすぐに寝てしまったり、帰り道がしんどくなるのが嫌なので部活動で体力を温存する(さぼる)ことも多くありました。
まだ世の中を知らなかったので、これが当たり前と思っていたのですが、非常に悪い習慣のサイクルでした。
あなたが理想の未来を実現させたいのなら、本当にしたいことに体力を集中投下するべきなのです。
体力は常に最適に配分する必要があります。
あなたが最近疲れた経験を思い返したとき、それはあなたの未来にとって本当に重要なことでしたか?
主な体力節約対象
- 家事全般
- 残業や夜泣きで寝不足
- 長時間の通勤
パパになる方は、特に体力や健康に気をつけなければなりません。
晩婚化してきた昨今では、子どもが生まれた後でも運動しないと体力はどんどん無くなっていきます。心構えで日々の適度な運動で健康を維持したいですね。
世の中がどんどん楽になっていき、運動しない生活が当たり前です。体力もお金と同じように、投資が必要な時代なのかもしれません。
4.精神力を節約する
精神力は、あなたの貴重な財産の一つです。
精神力は体力と似ていますが、決定的に違う点があります。
それは、回復にとても時間がかかることです。
労働省の調査によると令和4年でメンタルヘルス不要で1ヶ月以上休業・退職した労働者のいる事業所の割合は、10.1%(令和3年)→13.3%(令和4年)と増加しています。
過去1年間(令和3年11月1日から令和4年10月31日までの期間)にメンタルヘルス不調により連 続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は13.3%[令和3年調査 10.1%]となっている。
令和4年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概要(厚生労働省):https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r04-46-50b.html
また、精神力がいつ消耗するかは、人によって大きく異なりますので、他人の経験談やアドバイスだけでは上手く活かせない場面も多くあります。
自分の精神力を節約することは、自分自身でしかできません。
どのような場面に精神力が消費したか、思い出してみてください。
主な精神力の節約対象
- 子どもの安全対策
- 親戚づきあい
- 夫婦関係
- 子どものしつけ
- 急な仕事への対応
- 理不尽な上司
- 嫌味な人との関係
- 隣人トラブル
精神力の浪費は上げるとキリがありません。それに精神力を節約しようとしても、自分だけではどうしようもないことも多くあります。
パートナーとも相談しながら、自分が大変だと思ったことを共有してみましょう。私たちには向き不向きがありますから、あなたが得意なことでサポートし合える関係がベストです。
また、あなたの気持を言葉にすることで、少しずつ自己認識力も高まり、自分がどのようなときに精神力を消耗しているか気づくチャンスも生まれます。
感情はすぐに流れていくため、時間が立つと何が辛かったのか忘れてしまって思い出せません。日記やスマホのメモに書き出したりしながら、自分の外に出す習慣をつけて、振り返りながら自己認識力を高めることもおすすめです。
5.決断力を節約する
私たち人間は一日に3万5千回の決断をしていると言われています。殆どが無意識下で起こるため、決断していることすら認識できません。
そのため、「決断疲れ」を起こしていることすら自分自身では分からない状況なのです。
私たちは決断疲れが起こると、集中力や思考力が低下し、衝動的な買い物をしてしまったり、感情的なミスを起こしやすくなります。
できるだけ無駄な決断を減らすことが決断疲れによるパフォーマンスの低下を予防・発見します。あなたの時間やお金といった貴重な資源が失われることを防げるのです。
主な決断力の節約対象
- 服のコーディネート
- 1日のスケジュール
- スマホやチャットの突発的な連絡確認
- マルチタスク
- 家事全般
決断力の節約には、作業のルーティン化が欠かせません。しかし、子どもが小さい時期は親としては想定外の連続で難しいですよね。
初めてあげるミルク、初めてのオムツ替え、初めての病院・・・。
決断しなければならない事柄が圧倒的に増えるのに対し、すべてが未知の領域であり、とても決断力を節約できるような場面はありません。
さらに大切な我が子のために判断を間違えたくないという心理的なプレッシャーもあるでしょう。
子育ては、全て親にとって常に大きな決断力の消耗を強いているのです。
しかし、それ以外の要素はどうでしょうか?
毎日の服は完全に決めておいたり、子育てが落ち着くまではご飯のレシピもある程度固定化してしまったり。できる限り事前に決めておくことで、乳幼児の時の大切な子育てに集中できる環境を作ることができます。
また、子どもが大きくなってからも、生活の中で判断疲れが少なくなり、仕事に集中できる時間が増えたり、趣味の時間を存分に楽しめるなど、良い習慣になります。
節約には夢(ゴール)が必要
ここまで読んで頂いた方はお分かりの通り、節約は効率化と表裏一体のものです。
あらゆる無駄を切り詰めていく節約は、効率化と同時進行で考えなければなりません。
大切なことは「何をするか」ではなく、「何のために節約するのか?」という目的(ゴール)が明確であること。なぜなら、何が(節約するべき)無駄な要素で、何が(節約してはいけない)大切なことかが判断できないからです。
そして目的設定には、あなたの描く夢が必要不可欠なのです。
夢の実現に向けて、時にはコスト削減し、時には投資をして資産を増やしたり、効率化をはかることも検討できます。
はじめは個人的な目標(貯金を100万円、毎日8時間寝る)といった一人でできることから始めてみてください。そして、前向きな節約志向が身につき始めたら、家族を思い返してみてください。
もし、家族があなたにとって大切なコミュニティであるなら、理想の家族の在り方まで思い描くことに悪い気はしないはずです。
一人だけに最適化された節約術よりも、家族一体となったほうが成果が高くなる場合が多いからです。
さいごに
節約は、仕事で忙しい中で我慢すること、苦しい家計に耐えることではありません。
節約は、有限の資源(時間・お金・体力・精神力・判断力)を把握し、不要なコストを削減しながら、有効なところに資源を再配分(最適化)する仕組み作りです。
無駄を取り除きつつも、目標に向かって改善をするプロセスが重要ですので、ぜひ、「今だけの無理や頑張り」をしないようにしてください。
あなたには我慢や苦悩を甘受する以外の選択肢がきっとあります。
また、節約にはポジティブシンキングも重要です。
考えて頑張った結果、時には上手く行かないこともあります。私たちは、無駄なことをしてしまったと思い込むことが多いですが、あなたは前向きに改善サイクルを回し続けてみてください。少しずつ良い習慣が身に付きます。
あなたが最も大切なだと思うことに、あなたのあらゆる資源を注ぐことが何よりも重要なのです。
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